ファッションから考え直す戦争について

 

 

わたしたちが日常的に纏う「服」には時代によって流行や影響されたものが反映されることが多くあります。

 

例えば、女性表象のファッションに肩パッドがよく使われた時代は「男女平等」について議論され始めたころであったり、また19世紀のイギリスでは女性の参政権を要求して闘った"サフラジェット"(女性政治社会連合)たちは「参政権を求めるのは女性らしくない」という言葉に抗議をし、とても華やかな帽子とドレス姿でデモをするなどの社会運動も起こっています。

日本では戦後の高度経済成長期になると「特別」に思われていたスーツが当たり前の世の中になり、それに対抗するように(当時)反権威主義的な象徴としてヒッピースタイルが流行りました。

 

現在は、世界中で「ジェンダー」「年齢」「属性」などの様々な枠を飛び越え、取っ払っていこう!という動きがあり、ボタンの掛け違えやあえて"余分"とこれまで呼ばれてきたものをつけたりするファッションが流行り、今までなら「普通じゃない」と言われるものが普通に着られるようになっていたりします。

 

上記のように、ファッションはその時代に大きく影響されたり、まさに鏡であると言えると思います。

 

ここでお話ししたいのは戦争が起こるとどのようにファッションは変化するのかという話です。

 

様々な戦争の歴史を踏まえながら、今一度考えていきましょう。

 

よく言われる話でありますが、まず「動きやすい服」に変化します。

日本ではモンペなどが有名ですね。

第一次大戦の頃のヨーロッパでは、ちょうど女性の社会進出について考えられていた時代ということもあり、女性表象のファッションでは今まで主流だったコルセット×大きめのスカートやドレスのようなものがなくなってゆき、スカートも軽く動きやすいものへと変わっていきました。

 

また、どの戦争でも多くあるのが、戦争が始まった始めの頃、たくさんの情報が戦争が正当化されるようなものへと変わっていきますが、それと同時にファッションにも同じように刷り込まれていきます。

まさに戦争のイメージがある、ミリタリー柄やカーキ色は1930年頃から積極的に戦争に行かない人たち(女性や子供、身体に不自由を抱えている人)のファッションにまで影響を与えていました。特にカーキ色の女性表象向けの服がたくさん作られたそうです。

(最近のロシアとウクライナの戦争では、"Z"(勝利を/結束をの意味がある)をプリントしたTシャツがロシア国内で出回り、話題になっていました)

 

戦争中期に入ると、軍への活動を優先するために「贅沢は敵だ」という認識までも刷り込まれるようになります。

この時期からは軍服で使われることの多い綿製品などは特に国から制限されるようになったため、古着を仕立て直しがよくされるようになり、衣服の補強として普及していたつぎはぎが主流となりました。

ですが、初めは惨めなものとされていたため、後にあえて目立たないような元からいろんな生地を合わせた服が作られるようになり、この頃たくさん着用されました。

当時、たくさん作られていた服たちは襟やボタンをなくしたり、スカートの丈は短めに作られたり、生地を可能な限りで節約したデザインのものばかりでした。

どれだけ、世相がデザインに影響を与えていたかがよくわかる例かと思います。

 

1940年ごろになると、今度は着用する服の自由が更に奪われました。

これはイメージしやすいかもしれないですが、いわゆる「国民服」といったものです。

 

社会問題への変革を求める手段としてファッションを用いることは昔から取られてきた方法ではありますが、実際戦争の最中その場にいる/いたひとたちがその手段を取ることができるほど自由が許され、抑圧から抜けることができた可能性はずっと少ないでしょう。

 

 

現在、パレスチナで起こっている抑圧に何かできることはないかと、以前書いて眠らせていたこの記事を出してきました。

正直なところ、パレスチナで起こっていることがどのようにファッションに影響を及ぼしているのか現在わたしの口からは多くは語ることができません。

というのも、ファッションと世相について、アジアとイギリスなどを中心に学んできたため、パレスチナについてはあまり詳しいとは言えません。

また、英語の記事も探したものの、なかなか良いものが見つけられず、今回はこのような内容となりました。

一つだけ、見かけたものに、パレスチナではイスラム教徒が多く、頭髪を覆うために被るスカーフ「ヒジャブ」に替えがあまり用意することができず、衛生上などの理由で困っているという情報があり(ごめんなさい、元の情報を改めて探すことができず引用ができていません)、これもファッションに思想に生活に、戦争が大きく影響していると言えると感じました。

 

ファッションは時に光になりますが、暗闇にもなり得てしまいます。

どんな服を着ているかということが、その人が、何に対して憧れているか、何を支持していて、どんな生活を送っているのかを表すものなのです。

 

戦争に心から反対の意を込めてこちらの記事を公開させていただきます。

 

 

以下、署名やその他おすすめの記事などを少しずつ貼っておきます。多分増えます。(※情報が多く、間違えたものを発信している可能性もあるため、確認できそうな方は確認をしてくださると幸いです。また、間違えてた際は教えてくださいますと助かります)

 

○署名一覧○

 

パレスチナイスラエル対立における一般市民への基本的人道支援の確保を求めます

 オンライン署名 · パレスチナ・イスラエル対立における一般市民への基本的人道支援の確保を求めます · Change.org

 

・ガザの事態を憂慮し、即時停戦と人道支援を訴える中東研究者のアピールに賛同します。

ガザの事態を憂慮し、即時停戦と人道支援を訴える中東研究者のアピールに賛同します。

 

○わかりやすいガザとイスラエルの基礎知識◯(日本語/Eng)Gejimaさんの翻訳です。

 

Geji/皆本夏樹 on Instagram: "今さら聞けないガザとイスラエルの基礎知識①"

 

Geji/皆本夏樹 on Instagram: "今さら聞けないガザとイスラエルの基礎知識②"

 

○日本語で読むことができる中東メディア○

日本語で読む中東メディア 新着ニュース

 

○ガザを知るための緊急セミナー◯

ガザを知るための緊急セミナー

 

◯クリックによりスポンサーからの寄付が生まれるサイト◯

 

・1日1クリックすることができ、寄付金はパレスチナの人々を支援するためにUNRWAに送られます。

Help the Palestinian People with a Click | arab.org

 

◯先行支援/ストールを買うことが支援につながります◯

パレスチナ・アマル | パレスチナ刺繍・伝統工芸品通販

 

 

 

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